活動報告(第六期)

※過去の活動報告はこちらからご覧いただけます。

  •  第一回9月1日
  •  第二回9月15日
  •  第三回9月29日
  •  第四回1部10月13日
  •  第四回2部10月13日
  •  第五回10月27日

第五回10月27日

テーマ

都市計画と不動産

講師宇於﨑 勝也日本大学理工学部建築学科 教授

第五回目は宇於﨑先生による「都市計画と不動産」。日本の都市計画に関わる基本的な法律、諸制度の変遷や海外の都市開発の研究などについて講義が行われました。また、今日の都市の課題を不動産で解決する上で、成熟化社会(不動産の老朽化→マネジメントの必要性)、持続可能性(不動産や環境を守り、誰も取り残されない)、情報ネットワークの進展(不動産=動かない財は不要なのか)といった視点を持って考えていってほしいとのお話しがありました。その後、開発プロジェクトに携わっている鉄道業の方、行政で区画整理事業をする側だった人達など、様々な立場の方からの質問があり、活発な質疑応答が行われました。

【塾生の声】

本講義を受講して、都市計画に関しては、大きな目線で見た公共空間として整備される都市と小さな目線で利用者から見た使い勝手の良い都市があり、より大きな規模で再開発を行うことが必ずしも「都市を良くする」都市計画ではないものの、都市の使い方が変わる時代の要請に即した姿に変える為にはある程度の規模は必要で、ではその範囲から外れてしまった「取り残されてしまう」不動産たちをどう活かしていくのか、何に変えるべきか、持続可能な社会を本当の意味で考えるには空き家を含めた「取り残されてしまう」所に問題が山積なんだと、本講義の本題からは外れてしまうかもしれませんが感じました。自分たちに出来ることは何か考えていきたいです。(30代・金融、不動産業)

今回の講義では、都市計画と不動産の関わりについて学習しました。日本においては、我々事業者が不動産活用を行おうとすると必ず都市計画との整合が求められます。逆に言えば、それだけ都市計画は日本の不動産の在り方に強く影響しており、今後日本が少子高齢化・人口減少を迎えていく中で、どのような街づくりを行っていくかの重要な指針になっていると実感しました。今後の都市計画においては、開発可能性が残る都市部はもちろんですが、存続が難しくなっていくであろう郊外や地方の在り方ももっと考えていく必要があると感じました。(20代・鉄道業)

  • 都市計画と不動産
  • 都市計画と不動産
宇於﨑 勝也

日本大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。日本大学理工学部助手、専任講師、助教授、准教授を経て、現在、日本大学理工学部教授。平成6年5月から1年間「平成6年度日本大学長期海外派遣研究員」として英国及び欧州諸国に長期出張。現在、地方自治体の都市計画審議会委員、建築審査会委員などを務める。
<主な著書>
小嶋勝衛・横内憲久 監修「都市の計画と設計 第3版」(平成29年3月・共立出版)、一般社団法人 日本建築学会 編「景観計画の実践 事例から見た効果的な運用のポイント」(平成29年3月)」

第四回-第2部10月13日

テーマ

「変化するオフィスマーケット」

講師山方 俊彦ザイマックス不動産総合研究所 主任研究員

第四回目の後半は、ザイマックス総研の山方による「変化するオフィスマーケット」。オフィスの位置付けやマーケット構造の変化についての説明があり、世の中に公表されている指標の見方についての解説が行われました。
その後は、5チームに分かれて、前半講義の「ストック化社会における建物の考え方」も踏まえたグループディスカッションと発表が行われました。テーマは、「働きたくなるオフィス」「10~20年先の不動産賃貸事業」「10年後の東京のオフィス街」「10年後の地方都市」「優良なストック型社会の実現に必要なこと」の5つで、各チームがそれぞれ割り振られた一つのテーマについて30分間の討議を行いましたが、議論は尽きず、塾生達にとってはあっという間に感じたようでした。

【塾生の声】

「変化するオフィスマーケット」の講義では、様々な指標を分析しながら、オフィスマーケットの最新の動向について学びました。講義の中で教わった、常識にとらわれずに正しく指標を読む姿勢は、これからの自身の指針にしたいと思います。その後、10年後の地方都市の姿などについて塾生同士で議論を行いました。金融・運輸・小売など、多様なバックグラウンドから次々に新たな視点が出てくるため、議論はとても楽しく、また白熱しました。最新の不動産業の知見を学びながら、同じ志を持った仲間たちと幅広い視野で喧々諤々の議論ができる、からくさ不動産塾の魅力が凝縮された第四回でした。(30代・公務員)

オフィスマーケットにおける各種データに基づいた指標や、マーケットの変化を学び、不動産マーケットは経済状況に必ずしも遅行するものでは無い事実や、一般に公表されているマーケットデータと実状には乖離がある事を知り、実務上でも大枠の考え方を見直すきっかけとなりました。後半の「オフィスの未来を考える」についての議論では、本業の異なる各塾生の考え方や想像に触れられる事が大変面白く、今後も皆で継続的に議論したいと感じました。(30代・不動産業)

  • 「変化するオフィスマーケット」
  • 「変化するオフィスマーケット」
山方 俊彦

1991年日本生命保険入社。不動産部にて投資用不動産の運営実務に携わり、1997年にニッセイ基礎研究所出向。オフィスマーケットの調査研究に従事。2003年ザイマックス入社。マーケティング部で不動産のデューデリジェンス等に従事し、2013年から現職。不動産マーケットの調査分析・研究を担当。不動産証券化マスター。不動産証券化協会・資格教育小委員会分科会委員、市場動向委員会。不動産証券化マスターテキスト102「不動産投資の実務」第3章「指標の見方」を執筆担当。論文(共著)「空室率と募集賃料の時系列データに基づく東京23区オフィスエリアのクラスタリング」

第四回-第1部10月13日

テーマ

ストック化社会における建物の考え方

講師吉田 淳ザイマックス不動産総合研究所 主幹研究員

第四回目の前半はザイマックス総研の吉田による「ストック化社会における建物の考え方」。「建物とは何か?」から始まり、建築ストックの現状や保有・運用にかかわるリスク、建物寿命に関する考察、今後求められてくる建物などについての解説が行われました。後半の「変化するオフィスマーケット」の講義後に、5つのグループに分かれたディスカッションを行いました。

【塾生の声】

今回はCASBEE-建築(改修)等の導入の経緯など、多面的に不動産を建物という切り口から学ぶことができた。私自身も築40年超のビルを再開発に携わった経験があるが、確かに、現状の日本のオフィスビルはスクラップ&ビルドの大型ビル再開発がマーケットを牽引していると思う。その後のメンバーとのディスカッションで、将来、仲介会社そのものが無くなり、リーシングについては、ビルの性能自体が問われる時代が来るかもしれない、という意見も出た。そこで、再開発の対象とはならない築古の中小規模ビルなどについても、今後改修の重要性は増していくと考えさせられた。(40代・鉄道業)

オフィスビル事情に疎い私としては、ビルのオーナーや賃貸借人の立場ではなく、東京・日本のオフィスビル市場全体を俯瞰して社会的課題を分析し解決アプローチを示す講義内容は新鮮であり、CASBEE WO等の第三者認証が持つ社会的意味合いについての理解を深めることができました。後半はグループに分かれて「将来の地方の姿」について議論をしましたが、その話題にとどまらず、「東京一極集中が続くのでは」「地方と海外との直接的なつながり等を通じて人口分布が変わるのでは」「市町村間競争が起こるのでは」など、限られた時間で議論を多面的に発展させることができ、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まったからくさ不動産塾の魅力を改めて感じさせられました。(30代・百貨店業)

  • ストック化社会における建物の考え方
  • ストック化社会における建物の考え方
吉田 淳

日本リクルートセンター(現・リクルートホールディングス)入社。ビル事業部西日本部長などを経て、リクルートビルマネジメント(現・ザイマックス)取締役、2001年ザイマックスビルディングサイエンス(現・ザイマックス不動産総合研究所)を設立し、建物管理、修繕、エネルギー・環境不動産分野の研究を主幹している。CASBEE-不動産評価検討小委員会委員、CASBEE-ウェルネスオフィス審査部会委員、国際エネルギー機関(IEA)/EBC/
Annex70 日本委員会委員などを務める。

第三回9月29日

テーマ

「先を読むためのアナロジー思考」

講師細谷 功ビジネスコンサルタント/著述家
(株)クニエ コンサルティング/フェロー

第三回目の講義は細谷さんによる「先を読むためのアナロジー思考」。コロナ後の我々の仕事や生活はどのように変化するか、まさに大変革期となった今、課題や問題解決に必要なのは過去を参考に踏襲するのではなく、“一見、遠い世界での抽象化した共通点を見つけ、ひらめきや不連続な仮説を立てていく”というアナロジー思考を学びました。様々な演習に塾生がチャットで回答を出したり、グループディスカッションと発表も行われました。塾生達に「未来は水晶玉を見て予測するものではなく、水晶玉の中に自分で入っていって自分で作るもの。そうすることで自分が思う以上に進む事もある」と語りかけていました。

【塾生の声】

講義を通して、改めて私たちが大変革期を生きていることを実感させられるとともに、「アナロジー思考」という“生き抜くための武器”を教えていただきました。コロナ禍による不可逆的な社会構造の変化や自動運転技術の普及等によって、私たちの携わる不動産業界においても、ビジネスの在り方が大きく変化していくと想定されます。誰も明確な答えを持ち合わせていないVUCA時代ではありますが、日々世の中で起きている事象を広く自分事として捉え、また、多様な経験を通して自身の引き出しを増やし、自身のビジネスとのつながり(抽象化した共通点)に着目することで、生き抜くヒントを見出していきたいです。(30代・運輸業)

「PDCAサイクルを回すことが仕事の基本」「準備8割、本番2割!」入社してから現在までこれらが仕事の基本だと当たりまえのように思っていた私にとって、コロナ下のような大変革期においては、プロトタイピングにより、新しいことをどんどん試していくことが重要であるという話を聞き、はっとした。新しいことを試すにはある程度先を見通す力が必要で、特にアフターコロナで起こる変化の流れをつかむには、アナロジー思考のような力を身に付けていかなければ変革に取り残されてしまうのではないかと危機感を抱いた。(30代・保険業)

  • 「先を読むためのアナロジー思考」
  • 「先を読むためのアナロジー思考」
細谷 功

株式会社東芝を経て、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ等の米仏日系コンサルティング会社にて業務請負改革等のコンサルティングに従事。近年は問題解決や思考力に関する講演やセミナーを企業や各種団体、大学等に対して国内外で実施。主な著書に『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(東洋経済新報社)、『メタ思考トレーニング』(PHPビジネス新書)等がある。

第二回9月15日

テーマ

不動産市場の未来
-科学の力で未来をデザインする-

講師清水 千弘日本大学教授・東京大学空間情報科学研究センター 特任教授

第二回目は、当塾のアドバイザーでもある清水先生による「不動産市場の未来 -科学の力で未来をデザインする-」。テクノロジーは社会を変えるか?21世紀の不動産イノベーションは何だろうか?という投げかけから始まり、ビッグデータから予見できる日本の未来、人口減少、高齢化、そしてそれに伴う土地価格の下落など様々な課題に対してどのように立ち向かうかといったお話しがありました。また、未来はわからない、予測するより自分達で未来を創っていって欲しい。それには正しくデザインすることが大事で、からくさ不動産塾を通してどのような未来を創るかを考え、デザインする力を身に着けて欲しいと、不動産業界を牽引するリーダーを志す塾生に向けたメッセージが送られました。

【塾生の声】

率直に…ゼネコンですので建築主側の議論は新鮮です。特に清水先生が仰られていたドバイでのAIによる不動産査定のお話しには非常に強い興味を覚えました。不動産販売価格はある程度データベース化出来るのは理解できるのですが、ビックデータ上の建設コストはどの様に統計されているのか非常に気になりました。また正しくデザインする事・デザインするツールというキーワードも設計業務を生業とする身としては大変興味深かったです。(40代・建設業)

清水先生が実際に研究されている内容、つまり現代の不動産業界の課題や展望がテーマの回。研究されたデータと、それをどのように現場に使うかのイメージまでお話し頂き、説得力抜群の講義だった。内容とはそれてしまうが、清水先生自身がとても楽しそうにお話しされていたのでTHE講義、という感が全くなく受講側も前のめりで参加できた。願わくば先生、そして同期の受講生とのディスカッションの時間をもっととって頂き、自分の感性や価値観の外の気付きや捉え方に触れたい。(30代・不動産運営管理業)

  • 不動産市場の未来
  • 不動産市場の未来
清水 千弘

日本大学スポーツ科学部教授。東京大学空間情報科学研究センター特任教授、麗澤大学都市不動産科学研究センター長。マサチューセッツ工科大学不動産研究センター研究員、東京都立大学金融工学研究センター研究員等を兼務する。東京大学博士(環境学)。麗澤大学経済学部教授、ブリティッシュコロンビア大学客員教授、シンガポール国立大学不動産研究センター教授等を経て現職。専門は、指数理論・ビッグデータ解析・不動産経済学。主な著者に、『不動産市場の計量経済分析』朝倉書店(唐渡広志との共著(2007))、『市場分析のための統計学入門』朝倉書店(2016)、『不動産テック』朝倉書店(編著(2020))、「Property Price Index」Springer(Erwin Diewert教授らと共著(2020))など多数。Fellow of RICS、Member of CRE。

第一回9月1日

テーマ

開講式・不動産を見る目、価値の考え方

講師中山 善夫ザイマックス不動産総合研究所 代表取締役社長

からくさ不動産塾第六期がスタートしました。今期も様々な業種から19名の塾生が参加することになりました。まず開校式が行われ、中山塾頭から、2015年にからくさ不動産塾を設立しようとした背景・経緯や今までの塾生達の様子などを伝え、塾生達にこれから1年間の心構えや期待が述べられました。アドバイザーの清水先生からは「この1年を通して『価値ある変化』を起こしてほしい」といったお話しがありました。

19名の塾生の自己紹介も行われ、「さまざまな会社や経験を持った人が集まっているのが分かって、今後が楽しみです」といった声が上がっていました。

その後、中山塾頭による第1回目の講義「不動産を見る目、価値の考え方」が行われ、これから1年を通して、講義・ゼミを行っていきます。今回はオンラインで行いましたが、対面が可能になれば皆が集まって行っていきます。その時を心待ちにして、からくさ不動産塾初日の開校式と第1回目講義が終了しました。

【塾生の声】

初回の本日は、不動産の役割や歴史について学び、不動産を通じて社会の未来を豊かにするという大局観に触れ、自身の凝り固まった頭がほぐれていくのを感じました。また、「不動産と何か」「社会と不動産のこれから」といった命題に思いを巡らせながら、同じ時代で活躍する塾生の皆さまともに学べることを改めて大変嬉しく感じました。

本日塾頭から受け取ったメッセージを胸に、1年間勉学に励み、世の中に価値ある変化を起こせる人間になれるよう頑張りたいと思います。(30代・保険)

からくさ不動産塾の第六期が始まりました。残念ながら第1回はコロナの影響によりオンライン開催となりましたが、中山塾頭の熱い思いはライブ講義と変わらないと感じました。世界的にコロナが蔓延し経済の先行きが不透明な中、実物資産である不動産の役割はより強くなると感じております。

多種多様な業種の方々と交流できる機会は非常に新鮮で今後皆さんと1年間学べることが楽しみです。(40代・不動産業)

  • 開講式・不動産を見る目、価値の考え方
  • 開講式・不動産を見る目、価値の考え方
中山 善夫

株式会社ザイマックス不動産総合研究所代表取締役社長。ニューヨーク大学大学院不動産修士課程修了。一般財団法人日本不動産研究所で数多くの不動産鑑定・コンサルティングに従事。その後、ドイツ証券にてドイツ銀行グループの日本における不動産審査の責任者を務める。2012年よりザイマックスグループの役員に就任、現在、ザイマックス不動産総合研究所にて不動産全般に係る調査研究を担当。不動産鑑定士、MAI、CCIM、Fellow of RICS、Member of CRE。ARESマスター「不動産投資分析」科目責任者、不動産証券化協会教育・資格制度委員会委員。

ザイマックスザイマックス総研の研究調査