活動報告(第二期)

REPORT

※過去の活動報告はこちらからご覧いただけます。

  • 第一回4月12日 
  • 第二回4月26日 
  • 第三回5月10日 
  • 第四回5月24日 
  • 第五回6月7日 
  • 第六回第1部6月21日 
  • 第六回第2部6月21日 
  • 第七回7月5日 
  • 第八回7月19日 
  • 第九回第1部8月2日 
  • 第九回第2部8月2日 
  • 第十回8月23日 
  • 特別講演
    全体懇親会
    9月6日 
  • 第十一回9月13日 
  • 第十二回第1部9月27日 
  • 第十二回第2部9月27日 
  • 第十三回10月11日 
  • 第十四回10月25日 
  • 第十五回11月13日 
  • 第十六回11月29日 
  • 第十七回第1部12月13日 
  • 第十七回第2部12月13日 
  • 第十八回1月10日 
  • 第十九回1月24日 
  • ゼミナール2月8日、22日、3月8日 

ゼミナール2月8日、22日、3月8日

1月までに全ての講義が終わり、卒塾プロジェクトであるゼミナールが行われました。

昨年9月に5つのチーム分けが発表され、その後、各チームが「不動産における将来の課題を取り上げ、それに対する解決策を提案する」というテーマに対して、中山塾頭やアドバイザーの清水先生に相談などしながらテーマを決めていきました。

2月7日は各チームの発表。今年は「購買活動の変化と不動産」「地方創生」「ライフスタイルと住宅」「東京再生」「不動産のモバイル化」などがテーマとして取り上げられました。地方へ現地調査に行ったチーム、プレゼンの事前練習を何度もしたチームなど、皆時間をかけて準備を進めた分、どのチームもとても熱のこもった成果発表が行われました。

各チームの発表内容に対し、塾生より意見や疑問、質問等のコメントが後日提出され、それらを元に、2月21日と3月4日にはより発展した討議を皆で行いました。制限時間内では話し足りないほど議論は盛り上がり、終了した頃には各チームやり切った感がありました。

最終チームのプレゼンと議論が終わった後、修了式が行われました。
中山塾頭から挨拶と受講生へのメッセージが贈られ、修了証の授与と記念品の贈呈が行われました。

これをもちまして「第2期 からくさ不動産塾」の1年を通したプログラムは終了しました。

  • ゼミナール
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第十九回1月24日

テーマ

落語から学ぶビジネスへの扉

講師立川 談慶落語立川流真打ち

一年におよぶからくさ不動産塾を締めくくる最後の本講義は落語家であり、立川談志の18番目の弟子として長い下積み生活を経て現在真打として活躍する立川談慶さん。近著「なぜ与太郎は頭のいい人よりうまくいくのか(日本実業出版社)」でも取り上げた愚か者の代名詞、「与太郎」。その与太郎に備わる常識を覆す力、鈍感力、巻き込まれ力などをいかにビジネスに活かすか。一見「守り」「失敗」に思えることを「攻め」「成功」に変えていく技を、古典落語の小噺を織り交ぜながら伝えて頂きました。

【塾生の声】

本当に面白い講義でした。なぜ面白いのか考えたところ以下の三つに集約されるのではないかと思いました。

  1. 日常にツッコミを入れること
  2. 準備をきちんとすること
  3. (人前で話すことに)慣れること

これらは全てビジネスにも通じる要素だと思います。落語の目的である笑いとビジネスの目的である利益と社会貢献は全く異なるようで、似たようなプロセスが必要になるのだということを考えました。(30代・不動産業)

立川談慶先生から、落語を通じてビジネスで活かせるポイントを教えていただきました。

物事の見方を変えること、他者目線になって想像力を働かせ、1歩先をいくこと、等々。

ビジネス書等によく出てくる内容ではありますが、落語の登場人物の一人である与太郎という人物を通して話を聞くことで、新鮮に、身近に捉えることが出来ました。

また、先生の下積み時代の話も聞くことができ、「ダメなことは財産である」という金言をいただき、個人的に大変励まされました。最後には実際に生で落語を聞く機会もあり、大変興味を持ちましたので、ぜひ次回は寄席に行ってみたいと思います。(30代・不動産サービス業)

  • 落語から学ぶビジネスへの扉
  • 落語から学ぶビジネスへの扉
立川 談慶

慶応大学経済学部卒業後、株式会社ワコールに就職。3年後、吉本興業を経て立川談志師匠に入門。2005年真打に昇進。落語家としての活動以外に本を複数執筆。テレビ寺子屋やNHKラジオ講座の講師も務める、コミュニケーション指導の第一人者。
<主な著書>
『大事なことはすべて立川談志に教わった』(KKベストセラーズ)、『この一冊で仕事術が面白いほど身につく落語力』(KKロングセラーズ)、『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』(PHP文庫)など多数

第十八回1月10日

テーマ

創造的過疎から考える地域イノベーション

講師大南 信也認定NPO法人グリーンバレー理事長

地方創生の成功モデルとして新聞やメディアに度々登場する徳島県神山町。第18回目の講義はその神山町で移住者支援や地域再生に向けた様々な取組の原動力となるNPO法人グリーンバレーの理事長、大南信也さんの講義でした。神山町における過疎の現実、現在の取り組みに発展した経緯、そして神山の未来を作る様々なプロジェクトについてお話し頂きました。ただ単に人口減少に歯止めをかけるのを目指すのではなく、過疎化の現状を受け入れる一方で、地域内での経済循環を生み、持続可能な地域を目指す「創造的過疎」。この取組はこれからの地方創生を考えるにあたっての新しい視点を示唆する内容でした。

【塾生の声】

地方の過疎問題に関し、これまでは実感がわかず、本講義を聴くまでどこか他人事でしたが、単なる成功事例の説明に留まらない、講師の強烈な熱量を感じられる素晴らしい講義でした。受講者の全員が、徳島県神山町に行ってみたいと感じたと思います。

田舎の魅力、利便性や効率とは異なる価値、時間軸の違い、移住者を増やすにとどまらず先住者に理解してもらう方法や自発的参加の促し方、町の賑わいを演出する方法、古民家のリノベーションによる価値再生など盛り沢山の内容であっという間の2時間でした。ビジネススクールやセミナーで学ぶよりも、長年の経験から溢れる『出来ない理由よりも出来る方法を考える』『とにかくやってみる』『ワクワクが原動力』『自分事にする』など講師の数々の名言がグサッと刺さりました。(40代・建設業)

少子高齢化、過疎、人口減少。毎日のようにニュースや紙面で見る日本の未来のキーワード。四国の田舎町で、30年前からこれらの問題に向き合って、自分の故郷を改革してこられた神山町の大南氏の実体験に基づく講義は学びの宝庫でした。『何事も最初の成功が大切』『同じ成功体験を仲間で共有することの強さ』『とにかくやってみる!難しいことも、とにかくできる方策がないか考える。』など、翌日から自分のチームメンバーに共有させていただき、早速取り組むようにしました。一度チームメンバーと神山町を視察させてもらいたいと話しております。ありがとうございました。(40代・不動産業)

  • 創造的過疎から考える地域イノベーション
  • 創造的過疎から考える地域イノベーション
大南 信也

1953年徳島県神山町生まれ。米国スタンフォード大学院修了。帰郷後、仲間とともに「住民主導のまちづくり」を実践する中、1996年ころより「国際芸術家村づくり」に着手。全国初となる道路清掃活動「アドプト・プログラム」の実施や、「神山アーティスト・イン・レジデンス」などのアートプロジェクトを相次いで始動。町営施設の指定管理や、町移住交流支援センターの受託運営、ITベンチャー企業のサテライトオフィス誘致など複合的、複層的な地域づくりを推進。現在、多様性あふれる人が集う創造地域『せかいのかみやまづくり』を目指し活動中。

第十七回-第2部12月13日

テーマ

グローバルな視点:中国の不動産事情

講師菱村千枝不動産鑑定工房株式会社 取締役

第17回目の講義、後半は中国の不動産事情について、不動産鑑定士の菱村さんの講義。長年中国にて不動産評価やコンサルティングに携わってきたご自身の実体験を元に、過去15年における日中の経済成長や不動産取引の違いについて解説頂きました。
「なぜ、中国資本は日本に向かうのか?」という素朴な疑問に対し、都市戸籍・農民戸籍といった中国国民の格差や、共産党政権による住宅コントロール政策、土地制度改革、それに伴う中国国内における不動産取引の制約など、日本とは大きく異なる不動産取引市場について解説頂きました。

【塾生の声】

今回の講義を受け、中国資本が日本に流入してきた理由が良く分かりました。世界各国の政策や制度が日本の不動産業界にも深く関わっていることを再認識するとともに、不動産業界のスケールの大きさを改めて感じました。(30代・建設業)

身近でいて一度も訪れたことのない国、中国。ニュースで見ない日が無いぐらいの国ではあるが、身近なだけに色々な想いが入った情報・コラムが多く、またその規模が大きすぎることや、情報統制により中々現地の雰囲気は伝わってこない。その中で、実際に現地で働きかつ不動産に携わる方の生の声が聞けたのはとても貴重でした。
特に、現地の不動産の価格・それに対する市民の感覚、習近平の党大会発言の中の不動産に関連する部分の解説、所有と賃貸の市民の考え方と言った点を、中国寄りでも日本寄りでもなく、中立な立場での考察は大変参考になりました。
莫大なエネルギーを持った国、中国との個人的な接点はまだないものの、ビジネスを日本国内で行うにしてもこれからは影響がどんどん大きくなる国として、これからも注視していきたいと思います。(30代・不動産業)

  • グローバルな視点:中国の不動産事情
  • グローバルな視点:中国の不動産事情
“菱村千枝

不動産鑑定士/MRICS
大阪外大卒、中国北京中央財経大学大学院会計学専攻修士不動産鑑定業務に従事して約30年。
2005年から北京の資産評価会社に留職し、大陸での資産・不動産評価経験を積む。
現在は東京を拠点に国内外の不動産・資産評価、コンサルティング業務に従事。

第十七回-第1部12月13日

テーマ

グローバルな視点:米国の不動産事情

講師山本みゆきサンポップインターナショナル マネージング・ディレクター

第17回目の講義、前半は米国で長年に亘り不動産仲介・コンサルティング業などに携わってきた山本さんの講義。ニューヨークにおける賃貸住宅・オフィスについての基礎情報のほか、米国経済と不動産業界の動向やトランプ政権による影響など、米国の最新事情を詳しく解説頂きました。
塾生からは日米の賃貸オフィスの比較についての質問が相次ぎ、特にNYでは古い建物も高い価値・高額賃料を維持しているものが多い点や、シェアオフィスが拡大していることなどに関心が集まりました。

【塾生の声】

米国におけるオフィス賃料が築年による影響をあまり受けない事、一方、内装のリニューアルによる影響を大きく受ける事など、同じオフィスと言えども日米で全く見立てが違うことにあらためて驚かされました。オフィスに対する米国の見立てはストックが余る日本の行く末に対して重要な示唆を与えてくれるものと思いました。(40代・不動産投資業)

米国は日本と比べ新築価値が低いとよく聞きますが、新築と築90年近いビルの価格が同等である実例を聞くと改めて驚きました。やはり、「地震などの災害リスク」の違いが大きく、技術革新が物件価値に与える影響が小さいのだろうと感じます。また、米国では「アメニティの充実」という日本ではそれほど重視しない点を価値として感じている点も、両国の違いの一つとして興味深く感じました。(30代・不動産業)

  • グローバルな視点:米国の不動産事情
  • グローバルな視点:米国の不動産事情
山本みゆき

不動産コンサルタント。ニューヨーク大学大学院不動産修士課程修了。CCIM(米国不動産投資アドバイザー)、NY州公認ブローカー。NHK海外取材の翻訳にも携わる。
<主な著書>
米国の不動産知識 A to Z(住宅新報社)、各種不動産業界誌に米国不動産事情連載

第十六回11月29日

テーマ

不動産市場における「これから10年の構造変化」
-変化をいかにビジネスチャンスにするか-

講師榎本 英二野村不動産アーバンネット代表取締役 兼 副社長執行役員

第十六回目の講義は野村不動産アーバンネットの榎本さん。次世代に向けて活躍するうえで「仮説を持つこと」「その仮説を実現する情熱を持つこと」という二つのことを大切にしてほしいという、榎本さんから塾生へのメッセージから始まった講義では、不動産市場に影響があると思われる6つの構造変化を取り上げ、榎本さんご自身の「仮説」をもとにこれからの10年を予測。「新築からセカンダリー(既存)へ」「運用資産1京円の世界」「人生100年時代」「余る時代(空き家、空き店舗等)」「グローバル都市間競争」「ICTやAIによる新立地論」といった構造変化について各々が考え、どこにビジネスチャンスがあるかを塾生が探る内容でした。

【塾生の声】

中長期的な変化を見ていくには、グローバルでの比較や、過去との比較、将来の技術との比較など、様々な角度から物事を捉えることが重要だと感じました。(予測が当たるとか、当たらない、ではなく、モノの考え方として)また、一見すると構造変化は業界の直面する課題のように感じることも多いのですが表面的な事象に惑わされるのではなく、ひとつひとつの事象を深い部分まで考え、行動していくことが、これからの時代には不可欠だと思いました。(30代・不動産業)

一連の講義を受けて、私自身の視野も少しずつ広がってきているのではないか?と思っていましたが、その考えがまだまだ甘いということが痛感した今回の講義の内容でした。身近なトピックからマクロ的なトピックまで、多数のアプローチがあり、非常に勉強になりました。同時に今更ながら、この変化をチャンスに捉えて、評論家的な言葉でなく、能動的にアクションにつなげていく必要があることも感じ、非常にいい刺激になりました。ゼミで研究している内容に近いトピックもありましたので、更に深堀して、「考え」「行動」「結果を出す」ことを実践していきたいと思います。(40代・小売業)

  • 不動産市場における「これから10年の構造変化」-変化をいかにビジネスチャンスにするか-
  • 不動産市場における「これから10年の構造変化」-変化をいかにビジネスチャンスにするか-
榎本 英二

1985年慶應義塾大学経済学部卒業。1985年野村不動産入社、経理・総合企画・商品開発・資産運用事業に携わる。2008年執行役員 資産運用カンパニー副カンパニー長兼運用企画部長、2009年野村不動産投資顧問副社長、2013年野村不動産常務執行役員法人営業本部副本部長、2015年野村不動産アーバンネット専務執行役員を経て2017年同代表取締役兼副社長執行役員就任、現在に至る。1990年大手米国年金基金との米国不動産投資を開始し、1997年からは日本の不動産投資に着手、2001年不動産私募ファンド運用のため、野村不動産インベストメント・マネジメント株式会社設立。2002年には日本の運用会社による初めてのオポチュニティファンドである日本不動産オポチュニティ・ファンド(JOFI)の組成・運用を手がける。
2004年以降、同社の安定型不動産私募ファンド(Smileシリーズ)の組成に携わり、2005年野村不動産投資顧問株式会社を設立、不動産証券化商品への投資に着手。2010年私募REIT第一号を運用開始。2013年野村不動産にてCREを中心とした法人営業を担当。2015年野村不動産アーバンネットにて仲介・CRE部門の企画を担当。
宅地建物取引主任者、日本不動産鑑定協会会員、日本証券アナリスト協会検定会員

第十五回11月13日

テーマ

不動産ファイナンスとPRE・PPP/PFI

講師内藤伸浩不動産証券化協会 専務理事

第十五回目の講義は長年不動産証券化や社会資本ファイナンスを専門とし、また不動産証券化協会の専務理事も務めていらっしゃる内藤さんによる講義。
前半はJ-REIT市場や証券化のスキームなど、不動産証券化の基礎的な事項を、市場創世記より関わってこられた内藤さんならではの視点で解説頂きました。
後半では公共不動産を取り上げ、その実態や様々な戦略を、具体的な事例を交えて解説して頂きました。地方公共団体による公共不動産戦略についてはこれまでの単なる「活用」から「資産性に見合った活用」という視点へのシフトが課題である中で、民間の取り組みがより一層重要となってくるということが次世代の不動産業界を担う塾生にとっても今後を考えるヒントとなりました。

【塾生の声】

不動産の証券化とPREという2つの大きなテーマは、普段の業務で扱う不動産とは異なる側面からの視野で、新鮮に感じました。
特にPREは、社会資本の保有や運営を、我々の所属する民間企業が一部を担うことで、CSRとビジネスの両側面が成立できると理解しました。将来、そんな業務に携わって、自分の知識や経験を不動産業界や社会へ還元できればと、期待が広がりました。(40代・電気機器)

PPP/PFIを用いた公有不動産の活用戦略が非常に興味深かった。身の回りを見渡しても、公園や劇場、空港等、明らかに有効活用されていなかったり、無用の長物となってしまっているような公有不動産が多々ある。また、不動産に留まらず、地域活性化の起爆剤になるはずが赤字垂れ流しになってしまった事業や企画等も多く見受けられる。しかし中にはやり方次第では十分威力を発揮するものもあり、関西国際空港などはその典型例ではないかと思う。今後、民の力を活用する機運がより高まれば、我々不動産業界にも多くのチャンスが生まれることを意味するので、どのようなところに無駄があり改善する余地があるのかを深掘りしていきたく思う。(30代・コンサルティング)

  • 不動産ファイナンスとPRE・PPP/PFI
  • 不動産ファイナンスとPRE・PPP/PFI
内藤伸浩

1981年東京大学法学部卒業後、三井不動産(株)入社。1991年慶応義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了。2009年より東京大学公共政策大学院特任教授(2014年3月退任)、2014年10月より東京大学公共政策大学院客員教授(2017年3月退任)。2015年5月より一般社団法人 不動産証券化協会 専務理事、現在に至る。
<著書>
『人口減少時代の公共施設改革~まちづくりがキーワード』(時事通信社、2015年)
『アセット・ファイナンス~資産金融の理論と実際』(ダイヤモンド社、2003年、不動産協会優秀 著作奨励賞受賞)
『日本企業の戦略管理システム』(白桃書房、1997年、共著)

第十四回10月25日

テーマ

IT革命の激流
-ギャップをチャンスに変え、イノベーションを起こす企業文化とは?-

講師有馬 誠株式会社MAKコーポレーション 代表取締役社長、
楽天株式会社 副社長副社長執行役員 チーフレベニューオフィサー 兼 楽天データーマーケティング株式会社 代表取締役社長

第十四回目の講義はYahoo!、Google、そして今年7月からは楽天と、絶えずIT業界の最先端でご活躍されてこられた有馬さんの講義でした。MIT Technology Review が選出する「世界で最も革新的な50社」を題材に、イノベーティブなテクノロジーと、効果的なビジネスモデルを生み出す最先端企業について解説頂きました。いまや全産業のビジネスにおけるコアといえるIT革命。不動産業界においても進むIT活用の事例も交えながら、最新の潮流について考えました。
後半ではイノベーションを起こし続けるGoogleカルチャーについてご紹介頂きました。「会社のカルチャーを企業戦略と捉える」ことがイノベーションを起こし、他社に抜きんでるために重要であるとのこと。塾生も各々の組織におけるコミュニケーションなどについて考えるきっかけとなりました。

【塾生の声】

IT技術が加速度的に進化している中で、不動産業界ではテクノロジーの導入が非常に遅れており、漸くマッチング型や部分的なビッグデータ型が登場してきているものの、如何にITを活かせるか、例えば、本業界においてもデータベース(取引情報に目がいきがちであるが登記や建築・メンテナンス或いはテナント管理に係る情報の整備蓄積も重要)やビッグデータ解析(需給予測に基づいた不動産開発等)は重要な要素になってくるのではないかと感じました。(30代・不動産業)

絶えずイノベーションを起こし続ける企業の代表選手である「Google」のカルチャー、トップの姿勢、マネージャーの役割など、同じく組織人である自分自身とその所属組織をふり返って考える機会になりました。「『学んだ』ことの証拠は『変わったこと』」とのお言葉を踏まえて、自分が実践できることから始めてみようとの思いを強く持ちました。(30代・その他)

  • IT革命の激流-ギャップをチャンスに変え、イノベーションを起こす企業文化とは?-
  • IT革命の激流-ギャップをチャンスに変え、イノベーションを起こす企業文化とは?-
有馬 誠

1956年大阪市生まれ。1980年京都大学工学部卒業。クラボウ、リクルートを経て1996年にヤフー第一号社員として入社、常務取締役として立ち上げに貢献。2004年ネット業界に特化した人材紹介会社アイ・アムを創立、多くの優秀な人材を業界に紹介。2010年よりグーグル日本法人代表取締役就任。2017年7月より楽天株式会社副社長執行役員・チーフレベニューオフィサー、楽天データマーケティング株式会社代表取締役社長を兼任。
<主な著書>
『ギャップはチャンスだ!』(日経BP社)2014
『転職成功のエキスパートが教える最新・最適転職メソッド』(しののめ出版)2006

第十三回10月11日

テーマ

企業における不動産戦略
-CRE戦略と不動産テック-

講師板谷 敏正株式会社プロパティデータバンク 代表取締役社長

第十三回目の講義テーマは「企業における不動産戦略」。講師は日本ファシリティマネジメント協会のCRE研究部会などでともに企業不動産(CRE)マネジメントの研究に取り組んできた板谷さんと塾頭の中山さんです。板谷さんの講義では、まず公共不動産と民間所有の不動産別にそのストックの状況や有効活用事例を解説頂くとともに、民間部門におけるCREマネジメントによる企業価値の向上について具体的な手法を企業の戦略や事例を交えてお話頂きました。また、不動産テックの潮流や不動産業界におけるデータ活用について、最新動向を解説頂きました。
後半の中山さんの講義では、企業の不動産戦略の歴史を振り返ったのちに、これからの不動産戦略に必要なこと、それからオフィス戦略に大きな影響を与える働き方変化の動きなどについて解説して頂きました。

【塾生の声】

CREへの関心が高まる中、企業の成長戦略の一つとして不動産をどのように積極的に活用するか、という視点でバランスシートやROAとの関係からご講義頂き、不動産会社として一般事業法人にどのようなご提案ができるかを考える新しいヒントが多数ありました。CREは不動産を主なビジネスとしない一般事業法人に対して不要な不動産の売却、もしくは資産運用のための不動産取得のお手伝いが一般的だと考えていましたが、講義内で紹介頂いた先進的な事例を通じて、より企業のビジネス拡大につながるCRE提案を目指したいと思いました。(30代・不動産業)

CRE戦略のトレンドが、遊休不動産のオフバラから、本業を補完する事業へ変化していることが理解できました。昨今では働き方改革に関するニュースを良く見かけますが、特に今年は各社がコワーキングスペースを開設し、WeWorkが日本に進出するなど、オフィスの在り方が変化する兆しを感じています。生産年齢人口減少、オフィス大量供給など課題はありますが、企業、ワーカーの方々のニーズを捉えて、変化に対応した事業を展開していきたいと改めて考えさせられました。(30代・不動産業)

  • 企業における不動産戦略-CRE戦略と不動産テック-
  • 企業における不動産戦略-CRE戦略と不動産テック-
“板谷 敏正

早稲田大学大学院理工学研究科修了、清水建設株式会社入社。
2000年、社内ベンチャー制度を活用し、不動産管理向けクラウドサービスを展開するプロパティデータバンク株式会社設立、代表取締役就任。09年には最も優れた経営戦略を実践する企業として“ポーター賞”を受賞。15年より株式会社レナウン社外取締役(兼任)、その他国交省「企業不動産の合理的な所有・利用に関する研究会」委員、「不動産ID・EDI研究会(2007)」委員、日本ファシリティマネジメント協会理事などを務める。芝浦工業大学客員教授、早稲田大学理工学研究所招聘研究員を兼任。博士(工学)
<主な著書>
CRE戦略と企業経営(東洋経済新報社)
次世代建設産業戦略2015(日刊建設通信)

第十二回-第2部9月27日

テーマ

“おもてなしを越えて”
-ホテルマネジメントの真実-

講師田中 勝MTJホスピタリティ 代表取締役
日本ホテル教育センター「ホテル産業経営塾」名誉塾長元東京・横浜インターコンチネンタルホテル 総支配人

第十二回目第二部の講義は田中さんによる「“おもてなしを越えて”~ホテルマネジメントの真実~」。ホテルが販売する商品は「不動産とホスピタリティの融合商品」であるが、昨今は「おもてなし」といったホスピタリティの面が強調されがちである。ホテルのビジネスモデルは、装置が肥大、在庫を常に抱える、変動が大きい、労働集約型などといった特色があるため、マネジメントには「財務」「社員」「お客様」「ブランド」の4つの視点とそれらのバランスが大事、との説明がありました。世界的なホテルブランドの総支配人として、数値に基づいた経営手法だけでなくホテルでの日常業務のご経験談などを交えながら解説が行われました。

【塾生の声】

まず、「おもてなしが利益を生む上での障壁となっている」とクリアに言い切ってしまうことに驚きを感じました。
ビジネスの最終目的が全体最適を生むことだと仮定すると、今は現場にしわがよりすぎているという状態だと思います。日本人は自分で勝手に期待値を上げてしまっていることが問題で、その期待値を今後時間をかけて下げていくことができれば現場にゆとりもできて、今よりは少し全体最適に近づくのかなと思いました。(30代・不動産業)

講師の先生のご経験の深さ、そこからにじみ出るホテル経営学とも言える講義(トーク)に終始に圧倒されたというのが率直な感想です。昨今の訪日観光客の増加およびホテルへの投資効率の観点では何かと宿泊特化型ホテルに話題が行きがちですが、ラグジュアリーブランドホテル(総合サービス型)の話を多く聞くことができ、からくさ不動産塾ならではという内容だったと思います。社員エンゲージメント調査といった少々不動産からは離れるものの、ホテルの収益を支える部分に触れていただいたことも個人的に非常に勉強になりました。(30代・不動産総合サービス)

  • “おもてなしを越えて”-ホテルマネジメントの真実-
  • “おもてなしを越えて”-ホテルマネジメントの真実-
“田中 勝

1944年生まれ。早稲田大学第一政治経済学部経済学科卒業。西武鉄道に入社、プリンスホテルに転籍。
26歳より10年間、カナダにてホテルの開発プロジェクトに参画。設立・土地の買収・プロジェクトマネジメント等を経て、副総支配人就任。北米屈指の名総支配人、Mr.ショネッシイより直接指導を受ける。帰国後、赤坂プリンスホテルの副総支配人、迎賓館担当支配人兼務、天皇陛下また多くの国賓の接遇に直接あたる。その後、横浜インターコンチネンタルホテルの副総支配人を経て世界のインターコンチネンタルホテルズでアジア人として初めてホテルインターコンチネンタル東京ベイの総支配人を務める。
現在はホテルマネジメント研修・コーチングを主としたコンサルティング会社、MT J―ホスピタリティの代表取締役。また財団法人日本ホテル教育センターが経営する「ホテル産業経営塾」で塾長として現役ホテルマネジメントスタッフを育成している。また大学でも教鞭を取り、未来の人材の育成にも努めている。

第十二回-第1部9月27日

テーマ

深化する物流不動産ビジネス
-2ndステージに入った物流不動産-

講師辻 俊昭株式会社日本ロジスティックスフィールド総合研究所 代表取締役

第十二回目第一部の講義は辻さんによる「深化する不動産ビジネス-2ndステージに入った物流不動産-」。ここ15年ほどで急拡大してきた物流不動産市場の発展や物流施設の変遷、現在や将来における需給予測、さらには現在の日本におけるEC業界の実情など、幅広く解説頂きました。
EC事業者の拡大などを背景に開発が進む物流施設。供給過剰ではないかと懸念されたものの、現在は需要が大量供給に追い付いている状況です。しかし今後を考えるにあたっては、人員の問題や物流システムなど、事業者側の要因も注視していく必要があることを、EC事業者や配送事業者の現状とともに解説していただきました。

【塾生の声】

今回は「物流」と「ホテル」の二本立てでしたが、両者共にもっと聞きたいと思うほど非常に興味深い内容でした。物流施設に関しては、EC、AIをはじめとした情報技術の変化のスピード感に不動産側がついて行くことが必須であること。ただそれ故に長期的な投資の視点に立ったときの物流施設の危うさを感じました。(30代・建設業)

物流不動産を中心に技術革新、生活の変化、市場分析、業界の変遷、収益構造、流通、雇用、プレイヤー分類と多岐にわたり、現在の問題点や将来予想等の考察まで、深い分析と膨大な周辺情報のみならず、我々の質問にも圧倒的な知識でお応えいただきあっという間の1時間でした。今後も拡大する分野であり、ビジネスチャンスはまだまだあることを感じました。(40代・建設業)

  • 深化する物流不動産ビジネス -2ndステージに入った物流不動産-
  • 深化する物流不動産ビジネス -2ndステージに入った物流不動産-
辻 俊昭

京都大学工学部卒。野村総合研究所にて、行政機関、民間企業の物流に関する調査、コンサルティング活動を実施。港湾計画、空港計画、道路整備計画等のハード計画のほか、地域物流マネジメント政策、港湾物流施策、物流セキュリティ等のソフト面でも国や民間企業と共同で実施。その後、(株)日本レップに移り、関連会社であるジェイ・レップ・ロジスティクス総合研究所の代表取締役を務める。ここでは物流不動産に特化したコンサルティング会社として、物流不動産マーケットの分析、各種情報発信等を行う。
現在、2009年に立ち上げた(株)日本ロジスティクスフィールド総合研究所において、物流不動産などに関する調査・コンサルティング活動を実施。

第十一回9月13日

テーマ

不動産資本市場発展の25年をふり返って

講師冨川 秀二三井不動産投資顧問(株)代表取締役

第十一回目は、日本の不動産資本市場の黎明期から現在にまで第一線でご活躍されている冨川さんよりご講義いただきました。90年代以降に不動産と金融が融合して業界が大きく変貌、成長を遂げた経緯や背景や米国制度との比較をご自身の経験談も交えながら解説頂きました。また、「グローバルなアセットクラスとは?」という投げかけを行ったうえでBtoB、BtoCでの事例を紹介し、塾生達に「今後、産業界はグローバルな視点は欠かせず、ここにいる皆さんが水先案内人として不動産業界を引っ張って欲しい」というメッセージが送られました。

【塾生の声】

入塾前からもっとも楽しみにしていた講義でした。日本における不動産証券化の礎を築かれた冨川社長によるこの25年の変遷の説明は、決して書物から得ることのできない貴重な体験談であり、あっという間の100分間でした。特に、ファンドバブル期におけるカタカナAM会社の活躍と、その後の栄枯盛衰については、リアルタイムで多くの取引に関わった者として懐かしく、昨日のことのように聞き入っておりました。不動産業界の明るい未来づくりに役立てさせていただきます。(40代・不動産業)

失われた○○年と言われ続け、デフレが続く中でも、不動産市場を脈々と発展させて来た先人の方々の歩みを知り、今後を考える上で多くの気づきを与えて頂きました。少子高齢化で・・・なんて頭をもたげている場合ではなく、25年後、俺達はこんな不動産市場を創って来たんだと胸を張って言えるように頑張りたいと思います。(40代・不動産投資会社)

  • 不動産資本市場発展の25年をふり返って
  • 不動産資本市場発展の25年をふり返って
冨川 秀二

1983年三井不動産入社。1988年ハーバード大学大学院ビジネススクール卒業。
1989年三井不動産ニューヨーク。1997年10月三井不動産投資顧問設立とともに、同社法人営業部長、2004年4月常務取締役就任。
2007年4月三井不動産法人ソリューション部長、2011年4月執行役員不動産ソリューションサービス本部長就任。2015年4月三井不動産グループ執行役員、三井不動産投資顧問代表取締役社長就任。現在に至る。

特別講演・全体懇親会9月6日

9月6日(水)、「からくさ不動産塾」の一期・二期生および講師の先生方にご参加頂き、第二期全体懇親会を霞山会館(千代田区霞が関)で行いました。

前半は当塾のアドバイザーでもある政策研究大学院大学教授、元日銀副総裁・西村彦先生による特別講演が行われました。
「世界の経済情勢」と題し、現在の日米欧における経済情勢を労働・不動産市場の変化も交えながら比較・解説頂き、さらにこれまでの量的緩和政策の効果検証や今後の金融政策について解説いただきました。

後半は、全体懇親会が和やかなムードの中開催されました。会の中盤では一期生代表より卒塾後の感想やその後の取り組みについて語って頂きました。自主的な勉強会を企画して開催することもあるとのことで、塾生同士の繋がりが活きている様子がうかがえます。また二期生代表からはプログラム前半の振り返りと後半に向けた意気込みについてスピーチを頂きました。
一年間のプログラムを通して同期生同士の強い繋がりが形成される「からくさ不動産塾」ですが、全体懇親会を通じて横だけでなく、期を越えた縦のネットワークも形成されることを期待します。

  • 特別講演
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  • 全体懇親会
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第十回8月23日

テーマ

都市計画と不動産

講師宇於﨑 勝也日本大学大学院不動産科学専攻教授

第十回目は不動産と関わりの深い、都市計画について宇於﨑先生よりご講義いただきました。前半ではそもそも都市計画とはなにか?都市計画の誕生から現在までの変遷について辿り、都市計画に関する諸制度などを体系的に学びつつ、情報化社会、成熟化社会における都市の課題を、不動産が解決していくには?といった検討がなされました。
後半ではこれをさらに深堀し、グループごとに特区や都市内農地の活用による空き家対策など、各々課題解決に向けた手法について様々に議論し、発表しました。

【塾生の声】

不動産業界で働いていれば当たり前の都市計画法からの話でしたが、基本的なところというのは疎かになりがちで改めて振り返ることが出来て改めて大学生のときに真面目に授業を受けておけばよかったなと思いました。
後半は、海外の街づくりの事例や日本での最近の都市計画の取り込み等、大学で研究されている先生ならではの話は、これからの不動産業として如何に仕事を作っていくかを考える上でとても参考になりました。当たり前ですが、不動産業は国・県・市が作る法令と切っても切れない関係であり、どういった動きが官公庁にあるのかもう少ししっかり追いかけて行きたいと思います。(30代・不動産業)

私の従事している業務では、都市計画について深く検討する機会は少なく、グループワークでの議論も含めて、改めて考えるきっかけになりました。また、今後用途地域に“田園住居地域”が加わると伺い、講義後に改めて調べました。からくさの講義では、業務では得られない学びも多く、視野を広く保とうとするきっかけになっています。(30代・その他金融業)

  • 都市計画と不動産
  • 都市計画と不動産
宇於﨑 勝也

日本大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。日本大学理工学部助手、専任講師、助教授、准教授を経て、現在、日本大学理工学部教授。平成6年5月から1年間「平成6年度日本大学長期海外派遣研究員」として英国及び欧州諸国に長期出張。現在、地方自治体の都市計画審議会委員、建築審査会委員などを務める。
<主な著書>
小嶋勝衛 監修「都市の計画と設計 第2版」(平成20年12月・共立出版)
一般社団法人 日本建築学会 編「観再考 景観からの豊かな人間環境づくり宣言」(平成25年8月)

第九回-第2部8月2日

テーマ

消費者行動の変化と小売業のあり方

講師藤原 真ザイマックス商業不動産サポート事業部 事業推進部長

講師山田賢一ザイマックス不動産総合研究所 マネジャー

第九回目の第二部は「消費者行動の変化と小売業のあり方」。eコマースの進展、AIの進化、人口減少、都市構造の変化など、様々な要因によって、今後小売業はどのように変化していくのか。あらかじめ与えられた各種データや様々な施設タイプの特徴を踏まえ、各チームごとに「食品スーパー」「ショッピングセンター」「ロードサイド店舗」「百貨店」の4種の施設について、その「不動産としての」未来(概ね10年~20年後)についてディスカッションしました。小売業や商業施設が専門外である塾生が多い中で、それぞれに利用者目線・自身の業務目線からさらに視点を広げつつ、講師ともども活発な議論が行われました。

【塾生の声】

BtoCの要素が大きい小売業の場合、eコマースの発達による影響は大きいだろうと思っていましたが、業態により受ける影響の大小は全然違うんだなと感じました。また衰退が予想される業態については、その後「土地」や「立派な建物」という不動産をどのように活用していくのか、ビジネスチャンスが生まれたり腕の見せ所なんでしょうね。
ロードサイド型店舗の駐車場をコインランドリーにしたり、百貨店を減築して固定資産税を減らしたりする実例なども興味深い話でした。日頃自分のビジネスであまり触れる事の無い領域こそ、このように塾生や講師と共に考え、議論出来る事が貴重な機会だなと感じました。(30代・不動産業)

オフィスにしても商業施設にしても、一見すると、人口が減少する、オフィスワーカーが減る、eコマースが脅威、など、課題ばかりに見えるし、実際にそのような記事もよく目にします。しかし、本当にそうなのか?というモノの見方を学ぶと共に、ディスカッションを通じて、受講生の考え方や専門分野の知見を得ることができて有意義な会でした。また、商業施設については、自分が普段よく行く場所や同世代の消費パターンばかりに目を奪われていると、時代の大きな流れを見失ってしまうな、と感じました。
「30代子持ち共働きファミリー」、以外のライフスタイルにもアンテナを張っておかなくては、と思いました。(30代・不動産業)

  • 消費者行動の変化と小売業のあり方
  • 消費者行動の変化と小売業のあり方
藤原 真
講師 藤原 真
ザイマックス商業不動産サポート事業部 事業推進部長

1998年株式会社パルコ入社。店舗運営、マーケティング、新業態施設プランニング・リーシング等に従事。2006年ザイマックス入社後、大型商業施設開業・リニューアル等を牽引、現在は小売企業を対象としたCRE・不動産サポート事業を行う。京都大学文学部卒業。

山田賢一
講師 山田賢一
ザイマックス不動産総合研究所 マネジャー

1991年大手流通企業に入社。10年以上にわたり、新規出店・改装のプランニング業務に携わる。2007年にザイマックスグループ入社。主に商業施設の運営管理業務を行う。2014年よりザイマックス総研にて商業施設・小売業界の調査研究を担当。上智大学文学部卒業。

第九回-第1部8月2日

テーマ

変化するオフィス市場

講師山方俊彦ザイマックス不動産総合研究所 マネジャー

第九回目の第一部はオフィスマーケットの市場規模やマーケットの変遷を確認しながら、世間に出ている情報の見方や一般に言われているオフィスマーケットの常識について改めてとらえ直してみよう、という解説が行われました。
その後全体討議では、今後懸念される中小ビルの行方について議論。塾生が各々の業務の中でどのように中小ビルを捉えているのか、意見交換を行いました。

【塾生の声】

歴史を振り返ると、「市場の動きにはサイクルがあり、上昇局面もあれば下降局面もある」という当たり前のことを当たり前に考えずに、経済全体に大打撃を与えたり、自ら潰れかかったりを繰り返してきたのが不動産業界なのだと感ずる。雰囲気や雑音に振り回されずに、正確に市場動向を捉え、冷静に意思決定を行えるかで全く違う結果となり得る。山方先生の講義では、ザイマックス社の最新の知見を基に、オフィス市場のサイクルを正確に測る方法を教わった。「不動産市場の動きは世の景気の動きの後追いである」等、巷でまことしやかに囁かれている説が本当なのか、市場のからくりを踏まえて精緻な検証すると実際は全然違う等、アプローチ次第で結論が変わって見えるということをご教示頂いた。同じデータであっても、見る人のスキルや考え方次第で全く異なった結論が出得る。不動産のプロである我々は、ファクトを正確に読み取り、正しい意思決定を行っていかなければならないということを改めて感じさせられた有意義な講義だった。(30代・コンサルティング)

オフィス大量供給時期を間近に控え、バブル期に建築された中小オフィスビルの問題を討議しましたが、オフィスを賃貸する企業のほとんどが中小規模であることから、今後も中小オフィスビルのニーズは安定的にあり、ポジティブな面も多いことに気づきました。
老朽化していく中小オフィスビルをただスクラップ&ビルドで大規模化していくような規模の拡大よりも、設備の更新や適切な管理運営が鍵であると感じると同時に、流動性が高い中小ビルだからこそ、様々なオーナーが保有しており、借り手のニーズに応えられる専門的知識や資金力がないことが一因であり、ここにビジネスチャンスがあると認識しました。(30代・不動産業)

  • 変化するオフィス市場
  • 変化するオフィス市場
山方俊彦

1991年日本生命保険に入社。不動産部にて投資用不動産の運営実務に携わり、1997年にニッセイ基礎研究所出向。オフィスマーケットの調査研究に従事。2003年にザイマックス入社。マーケティング部で不動産のデューデリジェンス、マーケット分析を行い、その後、(株)ザイマックス不動産マーケティング研究所(現在のザイマックス総研の前身)及び現ザイマックス総研では、不動産マーケットの調査分析・研究を担当。ARES不動産証券化マスター養成講座テキスト「102不動産投資の実務」“第Ⅱ部不動産市場の指標と見方”を執筆。

第八回7月19日

テーマ

デザインと不動産

講師林 厚見(株)スピーク 代表取締役社長/「東京R不動産」ディレクター

第八回目の講義は「東京R不動産」のディレクター、林厚見さん。立地やハードの築年数などのスペックで測られがちな不動産において、ロジックでは説明しきれない「右脳価値(感性価値)」や「デザイン」についての視点について解説頂きました。「デザイン」の対象がハードから、コンテンツやインターフェースなどソフトに移ってきている背景や、「右脳価値」をビジネスに結び付けられてこそ差別化やバリューを生むことができるということを学んだうえで、各自どのような右脳価値を提供できるか、考えたものを共有しました。

【塾生の声】

“右脳価値” “感性価値”というと小売りをメインにする、うちの社内では通りそうですが、なかなか通らない感覚です。が、それを経済価値に結び付けることや、デザインとは“バランスと一貫性”という考え方に共感できました。商業用途は最近では差別化が非常に困難になりつつあるなかで、この感性で単にテナント付けするだけでなく、提供するモノ/コト・空間・サービスと経済合理性を考える必要があると改めて実感しました。この感性を少しでも身に付け、バリューを生み出すように実践し、自社不動産のみならず、そこに集まる方々の笑顔が実現できるように、日々意識していきたいと思います。(40代・小売業)

デザインと不動産というテーマから、市場のニーズから遊離したアート的なお話を予想していましたが、ビジネスとしてどっしりと地に足が着いた内容と感じました。不動産の個性とデザインの組み合わせが新しい価値を生み出す、という視点は、空き家問題を解決する答えのひとつだと思います。しかもクールです。意外にも左脳型ばかりが集まっている二期生ですが、林先生もご出席された交流会も、講義と同じく、時間が短く感じるほど盛り上がりました。(40代・電気機器)

  • デザインと不動産
  • デザインと不動産
林 厚見

1971年東京生まれ。東京大学工学部建築学科(建築意匠専攻)、コロンビア大学建築大学院不動産開発科修了。経営戦略コンサルティング会社マッキンゼー&カンパニー、国内の不動産ディベロッパーを経て現職。物件サイト「東京R不動産」、「R不動産toolbox」のマネジメントのほか、建築・不動産・地域等の開発・再生や新規事業のプロデュースを行う。共編著書に『東京R不動産2』『だから、僕らはこの働き方を選んだ』『toolbox 家を編集するために』『2025年の建築 新しいシゴト』等。

第七回7月5日

テーマ

先を読むための「アナロジー思考」

講師細谷 功ビジネスコンサルタント・著述家・(株)クニエ コンサルティング・フェロー

第七回目の講義は不動産を少し離れ、思考力を養うスキル講座。講師は『地頭力』『アナロジー思考』などの著書で知られる細谷功さんです。業界の垣根がなくなり、イノベーションによってもたらされる不連続な時代に、過去の延長や単独業界内で考えるのではなく、先見力をもってチャンスやピンチをものにしていくことが重要となってきています。アナロジー思考は、ものごとを抽象化してその特徴をつかみ、ひらめきや不連続な仮説を立てるための手法。その特徴のつかみ方を多数の事例と演習を通して学びました。

【塾生の声】

技術革新やグローバリゼーションが既存業界の垣根を低くしている今日において、アナロジー思考の重要性を知る大変有意義な講義であった。不動産業は人口減少、空家問題、老朽化等様々な課題を抱える中で不連続なブレークスルーを必要としている面もあり、アナロジー思考を如何にうまく使うことができるかということは未来を左右する要素であろうと実感した。不動産は動かないモノ、という概念もそのうち消滅するのかもしれない。(30代・資産運用業)

あたらしいアイデアを考えるときに、過去のトレンドや現在の常識の延長線上で考えることに、漠然と手詰まり感を抱いていました。会社や組織では、過去事例や確実なデータから導き出される答えが重要視されやすいですが、イノベーションや技術革新が話題となる昨今では、ご説明頂いた「アナロジー思考」が現代の思考法として、とてもしっくりする内容でした。
講義では、同期の皆さまの頭のやわらかさに驚き、自分のガチガチの脳みそに悲しくなりましたが、あらたな発想法を学ぶ機会を頂き、感謝しております。学んだ内容を仕事に活かしていきたいと思います。(30代・不動産業)

  • 先を読むための「アナロジー思考」
  • 先を読むための「アナロジー思考」
細谷 功

株式会社東芝を経て、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ等の米仏日系コンサルティング会社にて業務請負改革等のコンサルティングに従事。近年は問題解決や思考力に関する講演やセミナーを企業や各種団体、大学等に対して国内外で実施。主な著書に『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(東洋経済新報社)、『メタ思考トレーニング』(PHPビジネス新書)等がある。

第六回-第2部6月21日

テーマ

我が国のヘルスケア改革の方向性

講師大割慶一KPMGヘルスケアジャパン株式会社 代表取締役/パートナー

第六回目後半の講義はKPMGヘルスケアジャパン大割さんによるヘルスケア市場の現状と未来を考える内容でした。近年需要が高まるヘルスケアアセットなど、不動産との関連が強くなるヘルスケア産業について、世界、そして国内における現状と、今後の高齢化社会における課題について解説いただきました。産業の側面から理解を深めた塾生は、その後不動産分野においてどのように貢献できるのか、関心や議論を深めていました。

【塾生の声】

日本のヘルスケアシステムの現状や抱える課題、今後の改革の方向性について、豊富な事例やデータを用いて講義していただきました。超高齢社会の到来で、今後ますます重要性が高まるであろうヘルスケア分野でも、機能分化・集約、他産業との連携等の動きが進んでおり、そのような事業の変化の中にこそ、その活動基盤となる不動産分野から貢献するチャンスがあるのではないかと感じました。(30代・その他)

この授業ではそもそもヘルスケア業界とは?といった、官民問わず、ステークホルダー、収益構造、今後の需要予測など全体感を短時間にまとめてお話しを伺うことが出来ました。普段自分の周りで話が出ている老人ホーム、サ高住などはヘルスケアアセットの一部であったこともとても新鮮でした。今後他のアセットも含め、不動産目線だけにとらわれず、産業全体から不動産はどうか?と自分に問うべききっかけをいただくことが出来たと思っております。(30代・不動産サービス業)

  • 我が国のヘルスケア改革の方向性
  • 我が国のヘルスケア改革の方向性
大割慶一

KPMG東京事務所入社後、KPMGドイツ デュッセルドルフ事務所赴任。KPMGドイツのジャパンデスク統括責任者として、日系企業の欧州事業戦略、組織再編、M&A、リストラクチャリング等プロジェクトに対するアドバイザリー業務に関与。帰国後は、ファイナンシャルアドバイザーとして国内およびクロスボーダーM&A案件を数多く手がける。2000年、KPMGヘルスケアジャパン設立。医療・介護産業を含むヘルスケアセクターに特化した戦略立案・業務変革関連、M&A関連、ファイナンス関連のコンサルティング・アドバイザリー事業の責任者を務める。

第六回-第1部6月21日

テーマ

住宅市場の最新動向

講師関 俊修リクルート住まいカンパニー 執行役員

第六回目の第一部はリクルート住まいカンパニー関さんより最新の住宅市場について解説が行われました。オーナーなどにヒアリングしたデータやマンションデベロッパーのブランド調査、あるいはマンション管理についてのアンケート結果など、各種データを用いて、マーケットについて解説頂きました。普段目にすることのないデータから見えるリアルな顧客の声を踏まえ、今後の住宅市場のあり方について考えるきっかけとなる講義でした。

【塾生の声】

長年にわたり住宅市場を見てきた講師ならではの鋭い視点に感心させられました。人口減および工事費高騰の潮流の中、住宅の供給は減っているものの、高価格で成約している理由を、社会や生活の変化から読み解き、わかりやすく説明いただきました。また、通常のセミナーでは聞けない、購入者によるデベや管理会社に対する評価軸や要望等を聞くことが出来、新たな気付きを得られました。お客様の立場にたち、満足して頂くべく考え抜き、価値ある不動産を提供することが、改めて重要だと思いました。(40代・建設業)

今回の講義の大きなメッセージは
1.この5年ほどでマンションの価格が約25%上がっていること
2.デベロッパー、管理会社によって住民満足度が大きく異なること
の2点だったように思います。
特に1のマンション価格高騰について、今後消費者が価格によりシビアになり、大手デベロッパーだけでなくチャレンジ精神のある若いデベロッパーが知恵とアイデアを振り絞って、安くていい商品を提供するチャンスが増えることが必要なのではないかなど、考えるきっかけとなりました。(30代・不動産業)

  • 住宅市場の最新動向
  • 住宅市場の最新動向
関 俊修

1993年 (株)リクルート入社。新築分譲マンション領域営業を12年経験後、スタッフとして、MP(メディアプロデュース)部へ。
2008年 MP・事業推進部ディビジョンオフィサー
2012年 分社後、リクルート住まいカンパニー執行役員 分譲マンション営業統括部 統括部長
2014年 営業統括本部統括本部長
2016年 営業統括本部統括本部長 兼 賃貸営業部 統括部長
2017年 分譲マンション営業統括部 統括部長(現職)

第五回6月7日

テーマ

世界都市間競争とこれからの成長を考える

講師内田 要不動産協会副理事長専務理事

第五回目の講義は内田さんより、マクロ的な観点で日本経済と東京の国際競争力について考える講義でした。人口減少社会の中でGDPの維持・向上のカギとなる国民の生産性、その生産性向上のために都市としての東京には何が必要かなど、データや諸外国との比較を交えて解説頂きました。
そのうえで講義後半ではチームごとに「人口減少は本当に問題か?」「IoT、AI、ビッグデータ等の新技術や価値観の変化がまちづくりに与えるインパクト」「国際金融都市東京の成立可能性」「外国人材の活用」という4つのテーマについて議論しました。
世の中では悲観論が先行する中で人口減少を逆手に取った施策や、東京の都市力向上を阻む要因、あるいはこれからの日本に求められる国家ビジョンなど、講師の内田さんやアドバイザーの清水先生も交えて幅広く議論が交わされました。

【塾生の声】

4つのテーマは、日本にとっての喫緊の課題であり、非常に興味深いものでした。「国際金融都市東京の成立可能性」については、私自身、海外不動産投資を通して日本との相違(マーケットの透明性、データ収集の容易さ等)を実感していることもあり、とても考えさせられました。また、先生の助言もあり、既成概念に捉われないディスカッションができ有意義でした。(30代・その他金融業)

今回のからくさ不動産塾も最高でした。毎回勉強になるだけでなく刺激を与えていただきありがとうございます。今回、本論はもちろんのこと、内閣府地方創生室長として国家戦略特区を推進された内田先生ならではのご経験談を生で聞けたのもからくさ不動産塾の魅力ですね。次回も楽しみにしています。(30代・不動産業)

  • 世界都市間競争とこれからの成長を考える
  • 世界都市間競争とこれからの成長を考える
内田 要

東京大学法学部卒業。建設省入省、国土交通省総合政策局政策課長、大臣官房審議官(不動産担当)、土地・水資源局長、土地建設産業局長を経て、2012年独立行政法人都市再生機構副理事長、2014年より、内閣官房地域活性化統合事務局長、内閣府地方創生室長として、地方創生、国家戦略特区の事務方とりまとめ。2015年11月より現職。

第四回5月24日

テーマ

自分を知る/他人を知る/ユーザーを知る・チームワークに生かす

講師くらたまなぶ株式会社あそぶとまなぶ 代表取締役

第四回目の講義は不動産を少し離れ、くらたまなぶさんによる、個性やコミュニケーションを題材とした講義が行われました。
塾生は事前にMBTI型性格診断テストを受けたうえで講義を受講。前半はMBTIの成り立ちを、その原型である心理学的類型論を唱えたユングや同時期に生きたフロイト、アドラーといった心理学者など、それぞれに異なる個性を持った人物を紹介しつつ、さらにこれを社内コミュニケーションに活用してきたリクルートのエピソードなども交えて解説。後半では、塾生同士で各々の結果を共有。その結果を踏まえ、MBTI型のとらえ方やその意味するところ、そして各々に異なる個性を持った個人間でのコミュニケーションへの活かし方について解説を行って頂きました。

【塾生の声】

今回の講義を聞いて、人と人とのコミュニケーションについて改めて考えさせられました。自分自身および相手の特性(性格タイプ)を理解し、どんなことが自分自身や相手の琴線に触れるかを意識するキッカケになりました。とかくテクニック論が世に溢れていますが、相手に共感してもらうことの繰り返しが仕事を進めていくことの基本であることを改めて感じました。(30代・建設業)

事前にパーソナルテストを実施し、HP上の結果を読むだけでは納得感がなかったが、講義の中で性格タイプを表す4文字のうち、1文字ずつ分解して解説いただく中で、本テストの意義が見いだせました。このようなパーソナルテストは、それらの類型(本テストは16型)それぞれの人がどのような思想で決断・行動するのかを肌で自分が感じ、認識して初めて実務に役立つものだと思うので、知り合いには片っ端から勧め、自分の中で認識と結果の誤差を埋め、精度を高め、一つの武器として持ちたいと思う。(30代・不動産総合サービス)

  • 自分を知る/他人を知る/ユーザーを知る・チームワークに生かす
  • 自分を知る/他人を知る/ユーザーを知る・チームワークに生かす
くらたまなぶ

1978年日本リクルートセンター(87年リクルートに改称)に入社。『とらばーゆ』『フロムエー』『エイビーロード』『じゃらん』など14のメディアを創刊、“創刊男”の異名をとる。新規事業開発室長として『ゼクシィ』『ダヴィンチ』『生活情報360(現「Hot Pepper」の前身)』等、の創刊に携わり、その後開発情報編集局・編集制作統括室長を経て1998年フレックス定年退社。あそぶとまなぶ事務所(04年に(株)あそぶとまなぶに改称)設立。経営コンサルタントを主に講演、執筆などを行う。
<主な著書>
リクルート「創刊男」の大ヒット発想術(日本経済新聞社)
MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術(日本経済新聞社)

第三回5月10日

テーマ

ストック化社会における建物を考える

講師吉田 淳ザイマックス不動産総合研究所 取締役・主幹研究員

第三回目の講義は「ストック型社会」をテーマにした講義。
建物保有にかかるリスクや築古建物が増加している現状を確認したうえで、これまでスクラップアンドビルド式に大量生産・大量消費されてきたフロー型社会から、良質なストック形成による豊かな社会の実現への転換について考える内容でした。
適正な管理や環境マネジメントの重要性についても解説しつつ、良質な建物ストックの形成に必要なこと、あるいはそれを阻む要因についてグループディスカッションを通して議論しました。
また、講義後に先般卒塾した一期生も合流し、交流会が実施されました。

【塾生の声】

「良質な建物ストックが形成される社会」を実現するには何が必要か?この問いを目前にするだけで、そもそも良質な建物とは、何故日本には良質な建物ストックが少ないと感じるのか等々、様々な疑問と議論が沸きました。不動産業に関わる人間として、まだまだ探求し、実践すべき・実践出来ることがあるのではと感じました。(40代・不動産投資)

講義+ディスカッションを通じ、「良質な建物ストック」とは何か?なぜ日本で根付かないのか?など、考えるきっかけになりました。
特にディスカッションでの「良質な建物ストックを形成するために、今こそスクラップアンドビルドを行う」というある意味逆説的な考えや、「日本には『良いもの・かっこいいもの』とは何なのか、普遍的な価値観が無く、『古い物=かっこ悪い』というマインドが強い」という意見が印象的でした。(30代・不動産サービス業)

  • ストック化社会における建物を考える
  • ストック化社会における建物を考える
吉田 淳

日本リクルートセンター(現・リクルート)入社。ビル事業部西日本部長などを経て、リクルートビルマネジメント(現・ザイマックス)取締役。2001年ザイマックスビルディングサイエンス(現・ザイマックス総研)を設立し、現職。建物管理、修繕、環境不動産分野の研究を主幹している。CASBEE不動産評価検討小委員会委員、スマートウエルネスオフィス研究委員会・評価ツール開発WG委員、不動産証券化協会・資格教育小委員会分科会委員などを務める。

第二回4月26日

テーマ

ビッグデータに見る、不動産市場の未来

講師清水千弘日本大学スポーツ科学部教授

4月26日に二回目の講義が開催されました。過去のトレンドだけでは将来を予見する事が難しい時代になり、日本は未知の世界に突入していく。そのような中、「ビッグデータは不動産市場に何を教えてくれるのか?」をテーマに、確実に到来する人口減少や高齢化が不動産に与える影響について解説頂きました。
人口減少の不動産に対するインパクトの日米比較、老朽化マンションの増大による住宅価格の下落等、今後の不動産市場の展望を推計モデルによる分析やマップなど視覚的に分かるデータなどを用いて示した、示唆に富む内容でした。

【塾生の声】

人口減少による需要減、相続による供給増、老朽化マンションの増加…ビックデータから語られた不動産市場の将来は、刺激的かつ、厳しい現実ばかりであった。しかし、アメニティの重要性やAI、働き方の変化など、捉えようによっては、暗い話ばかりでもなさそうだ。「マクロ的に衰退していく日本の不動産市場では、変化に対応できる者だけしか生き残れない」―講義を聴いて改めて感じた次第である。(30代・不動産業)

業界では、昨今人口伸び悩みによる需要停滞が課題とされていたが、清水先生はそこを一歩踏み込み、高齢化そのものが地価にどのような影響を及ぼすのか或いはマンションの新規建設が地価にどのような影響を及ぼすのか等をビッグデータ分析により数式化した。この結果は衝撃的なもので、小手先に留まらない抜本的なビジネスモデルの転換が求められることを示唆していた。不動産業界では、少子高齢化や経済成長率の鈍化等への危機が叫ばれつつも、認識が漠然としているが故に具体的な戦略の転換に結び付かず、結局従来のビジネスモデルの範疇から抜け出せずにいたように感ずる。その点、データは何が課題なのかを明確に語ってくれる為、目から鱗のような発見があり、真に有効な施策を考える上で極めて示唆に富む。業界として大いに活用できるものではないだろうかと感じた。(30代・コンサルティング)

  • ビッグデータに見る、不動産市場の未来
  • ビッグデータに見る、不動産市場の未来
清水千広

日本大学スポーツ科学部教授。マサチューセッツ工科大学不動産研究センター研究員等を兼務する。東京大学博士(環境学)。シンガポール国立大学不動産研究センター、麗澤大学経済学部元・教授。専門は、指数理論・ビッグデータ解析・不動産経済学。主な著者に、『市場分析のための統計学入門』朝倉書店(2016)、『不動産市場の計量経済分析』朝倉書店(唐渡広志との共著(2007))、『不動産市場分析』住宅新報社(2014)など多数。Fellow of RICS、Member of CRE。

第一回4月12日

テーマ

不動産を見る目価値の考え方

講師中山善夫ザイマックス不動産総合研究所 代表取締役社長

からくさ不動産塾、第二期が始まりました。今期も、様々な業種から18名の塾生を迎えてのスタートです。講義に先立ち、中山塾頭、アドバイザーの清水先生より開講の挨拶があり、「幕末では松下村塾がそうであったように、このからくさ不動産塾も業界を変える人材を輩出するものにしたい、みなさんにもそういった人材に育ってほしい」「不動産業界の中でイノベーションが起きる「ハブ」となってほしい」など、期待のこもったメッセージが贈られました。
講義はプログラムの導入ということで、不動産についての基本的概念の確認のほか、
【不動産のこれからを考える上でのトピック】について確認しました。

【塾生の声】

期待と講義についていけるか?といった不安感あるなかでの第1回目の講義でしたが、改めて気合いが入る1日となりました。普段の業務はどうしても“点”で考えがちですが、視点を大きく持ちながら、各種指標などの情報や過去~現在の社会で起きていることを基に“これから”を考えていかなくてはと、大いに感じました。(40代・小売)

第一回という事で、初めてお会いする塾を運営される皆さまと塾生、初めて入る会場、配布されたカリキュラム、なにもかもが新鮮で学生のときの入学式を思い出しました。 塾頭から設立に至った志と、自己紹介で皆さまの普段の活躍とをお聞きして、日頃だらけている自分を律していかなければ、と背筋が伸びる思いになりました。(40代・電気機器)

  • 不動産を見る目、価値の考え方
  • 不動産を見る目、価値の考え方
中山善夫

株式会社ザイマックス不動産総合研究所代表取締役社長。ニューヨーク大学大学院不動産修士課程修了。一般財団法人日本不動産研究所で数多くの不動産鑑定・コンサルティングに従事。その後、ドイツ証券にてドイツ銀行グループの日本における不動産審査の責任者を務める。2012年よりザイマックスグループの役員に就任、現在、ザイマックス不動産総合研究所にて不動産全般に係る調査研究を担当。不動産鑑定士、MAI、CCIM、Fellow of RICS、Member of CRE。日本大学大学院理工学研究科不動産科学専攻非常勤講師、ARESマスター「不動産投資分析」科目責任者、不動産証券化協会教育・資格制度委員会委員。